鶴岡市の中心部、鶴岡公園のほど近くにある「荘銀タクト鶴岡(鶴岡市文化会館)」。
2017年に完成し、2018年にグランドオープンしたこの施設は、単なるコンサートホールを超えた世界的な建築作品として注目を集めています。
建築を目当てに世界中からファンが訪れ、また市民にとっても文化活動の拠点となるこの場所の魅力を、建築・音楽・観光の視点から深掘りして紹介します。
🏛 荘銀タクト鶴岡の基本情報
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正式名称:鶴岡市文化会館
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愛称:荘銀タクト鶴岡(荘内銀行がネーミングライツを取得)
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所在地:山形県鶴岡市馬場町11-61
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完成:2017年8月
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グランドオープン:2018年3月18日(NHK交響楽団によるこけら落し)
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大ホール:1,120席(ワインヤード型客席)
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小ホール・練習室・会議室・展示スペースを併設
鶴岡駅からバスで約10分、「市役所前」で下車してすぐ。観光スポットである致道館や鶴岡公園と隣接し、まち歩きの拠点としても便利です。
🌍 設計は世界的建築ユニット SANAA
1. SANAAとは?
SANAA(Sejima and Nishizawa and Associates) は、妹島和世(せじま かずよ)と西沢立衛(にしざわ りゅうえ)が1995年に設立した建築ユニット。
その名は世界中に知られ、建築界で最も権威のある賞をいくつも受賞しています。
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プリツカー賞(2010年)
建築界のノーベル賞と呼ばれる世界最高峰の賞を受賞。 -
RIBAロイヤル・ゴールド・メダル(2025年)
イギリス王立建築家協会が生涯功績を称えて授与する賞。ル・コルビュジエやザハ・ハディッドと並ぶ殿堂入り。 -
ヴェネツィア・ビエンナーレ金獅子賞(2004年)
金沢21世紀美術館で評価され受賞。
SANAAの建築は
「軽やかで透明感のあるデザイン」
「環境との調和」
「人の動きをデザインする」
ことが特徴で、荘銀タクトもその思想を反映した重要作のひとつです。
2. 妹島和世という人物
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1956年生まれ、茨城県出身
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伊東豊雄建築設計事務所を経て独立、1987年に妹島和世建築設計事務所を設立。
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日本人女性として初めてプリツカー賞を受賞。これは世界的にも歴史的快挙。
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繊細で柔らかく、それでいて革新的なデザインで知られ、女性建築家の先駆者としても国際的に尊敬されている。
彼女の建築は「透明感」「軽やかさ」「人と環境をつなぐ空間づくり」が特徴。
見る人を圧倒するというより、空気のように包み込む優しさと緊張感を同時に与える。
荘銀タクトのガラスと屋根のデザインにも、その哲学が色濃く表れている。
3. SANAAの代表作と比較すると…
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金沢21世紀美術館(石川)
円形ガラスの建築で「市民に開かれた美術館」として世界的に有名。 -
ルーヴル・ランス(フランス)
ルーヴル美術館の分館。地平線と一体化するような透明感のある建築。 -
ロレックス・ラーニングセンター(スイス)
床が波のようにうねり、空間そのものが学習の場になる革新的な施設。
これらと並ぶ存在が、ここ鶴岡にある荘銀タクト鶴岡。
「え、パリやスイスじゃなくて鶴岡に?」
と驚く人も多いくらい、国際的に価値が高い作品です!
🔍 建築デザインの見どころ
① 屋根の群像デザイン
複数の小さな屋根が重なり合うような形は、鶴岡を囲む月山や鳥海山の山並みをイメージ。建物が主張しすぎず、周囲の自然や歴史的景観に溶け込むように設計されています。
② 光と透明性
ガラスの外壁からは鶴岡公園の緑や城址のお堀が映り込み、外と内が一体化した空間を演出。日中は自然光に包まれ、夜はガラス越しに内部が光を放つ美しい姿に。
③ 空間の“抜け”と“つながり”
ホワイエはカーブを描きながら外部とつながり、歩くたびに視線が抜ける方向が変化。建築そのものが「歩くことで発見がある体験型デザイン」になっています。
④ 音響設計
永田音響設計による大ホールはワインヤード型客席を採用。舞台を囲むような配置で臨場感があり、クラシック音楽の生音を最大限に響かせます。
🎨 芸術と文化の拠点としての魅力
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大ホールの緞帳は、日本画家千住博による滝をモチーフとした「水神」。
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市民参加型オペラや合唱コンクール、劇団四季など全国公演も開催。
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有名ミュージシャンのコンサートや、各種演劇なども開催。
🏆 国内外での高い評価
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国際評価:SANAAは2025年に「RIBAロイヤル・ゴールド・メダル」を受賞、荘銀タクトも代表作のひとつとして紹介。
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国内評価:2024年度「地域創造大賞(総務大臣賞)」受賞。地域に根ざした活動や市民協働の取り組みが評価されました。
📈 観光と地域への影響
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年間来館者数は約9万人。市外からの観光客も増加し、飲食・宿泊・交通に波及効果。
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鶴岡市が持つ「ユネスコ食文化創造都市」としての魅力と組み合わさり、“食と文化”を両方体験できる観光資源となっています。
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城址公園や致道博物館と合わせて訪れることで、まち歩きの回遊性が生まれています。
🐇 拠点には「ゲストハウスわたうさぎ」を
建築巡りやコンサート鑑賞で鶴岡を訪れるなら、宿泊にはゲストハウスわたうさぎがおすすめ。
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荘銀タクトからは徒歩圏内
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世界中の旅行者と出会える交流スペース
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地元の暮らしを体験しながら、建築や文化を語り合える場
わたうさぎには建築好きなゲストもたくさんいらっしゃいます。
昼は荘銀タクトで建築を体験し、夜はわたうさぎで旅人と語らう。
これこそが、わたうさぎだからこそできる特別な時間です。
✨ まとめ
荘銀タクト鶴岡は、世界中からデザインや建築好きが見に来てくれます。
その理由は
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世界的建築ユニットSANAAの代表作のひとつ
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建築・音響・文化活動すべてが融合した体験型ホール
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国内外で高く評価され、地域文化を象徴する存在
写真や図面だけでは伝わらない、街並みのなかに佇む荘銀タクト鶴岡の魅力があるんです。
「建築を観る」だけではなく、「歩いて、座って、音を聴き、光を感じる」ことで完成する体験型の建築です。
鶴岡を訪れる際には、ぜひ荘銀タクトとわたうさぎをセットで楽しんでみてください。
今日の記事はここまで。
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