スノーボードを長年やっていると、「このゲレンデでしか味わえない感覚」を求めて旅をするようになる。
北海道のパウダー、長野のコブ、新潟の規模感。各地にそれぞれの魅力がある。
でも、「R(アール)で遊ぶ」ことに特化した場所は、日本広しといえど、ここだけかもしれない。
山形県鶴岡市。出羽三山を仰ぐ山あいに、そのゲレンデはある。
湯殿山スキー場──。知る人ぞ知る「R天国」。全国のスノーボーダーがわざわざ山形まで足を運ぶ理由が、そこにある。
そして今シーズンは、もうすぐ終わる。
まさにいま、全国から集まる、ラストスパートのお客様で賑わっている。
「R天国」とは何か──波に乗るように、雪山を滑る感覚
R天国とは、スノーパークデザイナー丸山 淳(まるやま じゅん)氏が湯殿山スキー場に設計した、R形状(緩やかな曲面)の壁が連続するコースのこと。
ハーフパイプやキッカーのような「アイテム系」ではなく、コースそのものが丸く削られ、至る所に波のような壁が現れる。
一度体験するとわかる。
あの感覚は、スキー場というより「スノーサーフィン」に近い。
左の壁をカービングで駆け上がり、頂点でターン。
重力に引かれながら右の壁へ。また駆け上がり、また駆け下りる。止まらない。止まれない。むしろ止まりたくない。
コースには高さや難度の異なるRが混在しており、ビギナーが緩やかな壁をライン取りの練習に使いながら、上級者が隣でフルカービングをかけることもできる。ハーフパイプ(4m・7mキッカー)、レール、バンク、コブも完備。ジャンルを選ばず楽しめる稀有なゲレンデだ。
現在の湯殿山スキー場コンディション(2026年3月22日時点)

なぜ「丸山 淳」が作るRは違うのか
R天国を語るとき、一人の男の名前を避けることはできない。
スノーパークデザイナー・丸山 淳さん。
彼の哲学はシンプルだ。
「子どもから大人まで、ジャンルやレベル関係なく、安全に楽しく遊んでもらいたい」。
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この言葉が示すように、彼の作るコースには「上手い人だけが楽しめる」という閉鎖性がない。
初めてスノーボードを履いた子どもが壁の下を恐る恐るトレースしながら笑い、その5メートル隣でプロライダーがエアを決める。それが同じコース上で同時に起きる。
今シーズンは、3月16日についに日本に一台しか存在しない小型Rマシーンが湯殿山に登場。シーズン最終週のDream Sessionに向け、丸山氏自ら最終形態のレイアウトを造成した。
「最後の週末のために、一番いいRを作る」──それが彼のスタイルだ。
わたうさぎを訪れるゲストの中にも、「R天国のために山形に来た」という方が毎年います。滑り終わった後の顔が、みなさん本当にいい顔をしているんです。
今シーズン最後のR天国へ──駆け込む人たちが後を絶たない理由
春の訪れは確実に近づいている。湯殿山スキー場の営業終了まで、残りわずか。
それでも──いや、だからこそ──この時期のR天国には独特の熱気がある。
シーズン終盤、丸山氏はシーズンで最も密度の高いRレイアウトを仕上げる。来シーズンへの試みや新しいラインが詰め込まれた、「最終形態」と呼ばれるコースだ。コアなスノーボーダーたちはこれを知っているから、最終週にこそ来る。
「今シーズン最後の一本を、R天国で」という気持ちは、一度ここを滑った人間なら誰でも理解できる。
わたうさぎには、毎年この時期になると「滑り納めをしに来た」というゲストが駆け込んできます。
チェックイン後すぐに装備を担いで出かけて、夕方に真っ赤な顔で帰ってきて、夜は鶴岡の郷土料理をたっぷり食べて眠る。そんな一日を過ごせる場所が、ここにはあります。
R天国×鶴岡で、「完全なスノー旅」が完成する
湯殿山スキー場のある鶴岡市は、日本で初めてユネスコ食文化創造都市に認定された食の街でもある。
滑った後の体が求めるのは、温泉と、旨いものだ。
鶴岡には、その両方がある。麦きりに芋煮、民田なすの一夜漬け、だだちゃ豆を使った郷土料理。地酒を一杯傾ければ、山形の冬はこの上なく豊かになる。
ゲストハウス わたうさぎは、鶴岡市内に位置し、湯殿山スキー場へのアクセスも良好。
ドミトリーから個室まで、旅のスタイルに合わせてお選びいただけます。
「R天国を滑って、鶴岡で食べて飲んで泊まる」という旅のプランが、わたうさぎを拠点にすることで、するりとまとまります。
▶ わたうさぎの詳細・ご予約はこちら
【URL】https://wata-usagi.com/reservation/
【次回予告】4月下旬、あの月山がオープンします
そして、湯殿山のシーズンが終わっても、山形の雪は終わらない。
月山スキー場は、例年4月下旬にオープンし、なんと7月頃まで滑走可能な日本屈指の「春・夏スキー場」だ。標高1,500mを超えるゲレンデには、春になっても豊富な残雪が残り、他のスキー場ではとうに終わったシーズンが、ここではまだ続いている。
次の記事では、月山スキー場の魅力と、わたうさぎを拠点にした春スキープランをたっぷりご紹介します。お楽しみに。
今日の記事はここまで。
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