夏の昼下がり。
外から「戸締まり用心 🔔 火の用心!」という声と、
カチ、カチ、と拍子木の音が聞こえてきた。
昼下がりのカチカチ
「え?今どきまだやってるの?」
思わず手を止めて、窓の外をのぞいた。
拍子木を持った子どもたちが、
まぶしい日差しの中をゆっくり歩いていく。
冬の夜のものだと思っていたから、
なんだか不思議で、少し懐かしい。
子どもの頃、夜に回った火の用心を思い出した。
冷たい空気の中で「火の用心!」と声を張り上げたあの感じ。
拍子木の音と、どこかの家から「ご苦労さま〜」と聞こえる声。
あの小さなぬくもりが、今も耳の奥に残ってる。
ちょっと気になって、調べてみた
「これ、いつからあるんだろう?」
昼下がりの静けさの中で、
あの拍子木の音だけが頭の中に残っていた。
昔からあることはわかってるけど、
実際いつから続いてるのか、考えてみたら全然知らない。
で、そのままスマホで検索。
“火の用心 由来”
出てくるのは、江戸時代とか町火消とか、
いかにも歴史っぽい言葉ばかり。
どうやら始まりは、江戸時代の町火消たちによる夜回りらしい。
木と紙と油の時代、ひとつ火が出れば一晩で町が焼け落ちる。
だから夜になると、拍子木を「カチ、カチ」と鳴らしながら
「火の用心!」と呼びかけて歩いたんだとか。
最初は単なる警戒の合図だったみたいだけど、
そのうち町の人にとっては“安心の音”にもなったらしい。
あの音が聞こえると、
「今夜も誰かが見回ってくれてるんだな」って思えたんだろう。
調べているうちに、
「火の用心」の呼びかけには、ちゃんと作法があることも知った。
拍子木を打つときは、二つ打って間を置いて、もう一つ。
この「二打一拍子木」と呼ばれるリズムが正式らしい。
そういえば今日の子どもたちも、たしかにそんなリズムで鳴らしていた。
そして時代が進んで、戦後の昭和。
町火消の文化は一度途絶えたけれど、
子ども会や消防団の防火活動としてまた息を吹き返す。
「マッチ一本火事のもと」
「戸締まり用心火の用心」
このフレーズは、そのころ全国に広がったらしい。
どの時代も、結局やってることは同じなんだなと思った。
火を怖がって、暮らしを守る。
それを“音”で伝えるっていう発想が、
なんかすごく日本っぽくて好きだ。
今日聞こえた掛け声
今日耳にしたのは、こんな感じ。
「戸締まり用心 🔔 火の用心!」
「火の用心 🔔 マッチ一本 🔔 火事のもと!」
「火の用心 🔔 焼き肉焼いても 🔔 家焼くな!」
最後のひとつ、ちょっと笑っちゃった。
焼き肉は焼いても家は焼くな、って。
でもたしかにその通り。
こういう“ちょっとふざけた言い方”のほうが、
不思議と心に残るのかもしれない。
🔥 あのCMを思い出した
焼肉のたれのCM?
ちがうか???
「火の用心 焼き肉焼いても 家焼くな!」
って軽快なテンポで流れていたっけ。
もともとは防火標語だった言葉を、
「安全においしく焼肉を楽しもう」というメッセージにしてたらしい。
拍子木の音とテレビの音。
時代も形も違うけど、どっちも耳から伝わる「火の用心」。
なんか、日本っぽいなって思う。
地域によってちょっと違うらしい
調べてみたら、掛け声にもいろいろある。
本当かどうかわからないけど💦
たとえば関西では、
「戸締まり用心 🔔 火の元用心!」。
東北では、
「火の用心 🔔 火の元消したか 🔔 確かめよ!」。
言い方もテンポも少しずつ違うけど、
どれも同じ“暮らしを守る音”なんだろう。
拍子木のリズムや声の高さに、
その町の空気がにじんでる気がする。
夏に響く火の用心
火の用心って冬のイメージだったけど、
よく考えたら夏も火のリスクは多い。
-
バーベキューの炭火
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花火の残り火
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タバコのポイ捨て
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お盆のろうそくや線香
「なるほど、そういうことか」と納得した。
昼間の火の用心も、ちゃんと意味があるんだね。
カチカチのリズム
夕方になると、まだ遠くからカチカチと音が聞こえた。
たぶん、あの子たちが町内をひと回りしてるんだろう。
その音を聞いていたら、
なんだか町がちょっと優しく見えた。
冬でも夏でも、拍子木の音がある町っていいな。
生活のリズムの中に、ちゃんと“気をつけよう”が混ざってる。
また来年も
カチ、カチ。
またあの音が聞こえたら、
きっとまた窓を開けてのぞいちゃうだろうな。
「え、まだやってるの?」って言いながら。
でも、ちょっとだけうれしい気持ちで。
That’s all for today’s post.
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