今回は、わたうさぎに泊まってくださったゲストさんからいただいた、一冊の本をご紹介します。タイトルは『日本人の「和」とは』。実は、書店には売っていない、著者さんが自費出版された本なんです。この本との出会いが、とても素敵だったので、ぜひ聞いてください💕
へとへとで到着された、朗らかなおじさま
その日いらしたのは、千葉県からお越しのおじさま。すこし足がお悪いのか、へとへとになって到着されました。わたうさぎのレビューや評価が高いのを見て、来てくださったそうです。
到着されたときはお疲れの様子でしたが、リビングではとっても明るくて朗らか✨ わたしともたくさんおしゃべりしてくださって、他のお客様とも気軽に交流して、一緒にリビングで乾杯までしていました。こういう時間があるから、ゲストハウスっていいなあと思うんです😊

「差し上げたい人に、やっと出会えた」
その夜、早めにお部屋に戻られたおじさま。しばらくして、もう一度リビングに戻ってこられました。その手には、一冊の本が。
聞いてびっくり。その本を書いたのは、おじさまご自身だったんです。
旅に出るときに「どなたかに差し上げたい」と、ご自分の本を一冊だけ持ち歩いていらしたそうなんです。でもなかなか出会いがなく、旅の最後にわたしと会えて、「この本を差し上げたいと思える人に出会えて良かった」と言ってくださいました。
自分で書いた本を、旅先で手渡す相手を探しながら歩く。そんなふうに言っていただけるなんて、宿をやっていて本当に良かった瞬間です❣

縄文時代はなぜ一万年も平和だったのか
いただいた本のテーマは、ずばり「和」。なぜ縄文時代は一万年も平和が続いたのか、という素朴な疑問から始まります。著者は、おじさま——井河澤汝大結絆(なおゆき)さんです。「汝」と「絆」の字が入ったペンネーム、本のテーマそのものですよね。
読んでみると、「へえ!」の連続でした。たとえば、縄文土器の「縄(ナワ)」という言葉。実は「ナ(汝)」は向かい合う相手のこと、「ワ(我)」は自分自身のこと。つまり「ナワ」という音そのものに、「あなた」と「わたし」が寄り添っている。一本の糸では弱くても、綯い合わせることで強い縄になる——縄文土器に刻まれた文様は、単なる装飾ではなく「心の式」の表明だったのではないか、というんです。
そして本のなかで、井河澤さんはさらに一歩踏み込みます。今でも使われている和語の音をひもとくと:
- キ(気):命のエネルギー、やる気、元気
- ミ(身):エネルギーが宿る体
- ナ(汝):向かい合う相手、あなた
- ワ(我):自分自身。そして同時に「輪」
これらを合わせると、こんな式が浮かび上がるといいます。
君(キ+ミ)+ 縄(ナ+ワ)= 和(ワ)
「君」とは、気(キ)と身(ミ)が一つになった存在、つまり元気な心と体を持った一人の人間のこと。その「君(個人)」が、他者と心を繋ぐ「縄(絆)」を持つことで、初めて幸せな「和(みんなの輪)」が結実する。
わたしがすごいなあと思ったのは、この式の順番なんです。まず最初に来るのは「君」、つまり健やかな自分。自分が消えて輪に溶けるのではなく、元気な個人がいて、絆があって、その先に和がある。日本人が一万年かけて辿り着いた、平和に暮らすための式ではないか、と井河澤さんは書いています。
和歌や君が代、和服、和食、和室まで、この式でひもといていく展開は、読んでいてわくわくしました✨
「我」を捨てなくていい、という発見
わたしが一番心に響いたのは、「未来へ繋ぐ和の心」という章です。
そこにはこう書かれていました。「和」とは、個性を押し殺すことではなく、自分「我(ワ)」を大切にしながら、同時に相手「汝(ナ)」を敬い、共に心地よい場所を作っていくこと。
「和」というと、みんなに合わせて自分を抑えること、というイメージがありませんか?わたしはずっとそう思っていたので、自分というものを捨てなくてもいいんだ、ということがとても斬新に感じました。
そして気づいたんです。わたうさぎのリビングって、まさにこれだなあって。いろんな国のゲストさんが、それぞれのまま、同じ空間で心地よく過ごしている。あの夜、おじさまが他のお客様と乾杯していた風景こそ、小さな「和」だったのかもしれません😊
まとめ
今回は、ゲストさんからいただいた本『日本人の「和」とは』をご紹介しました。
一冊の本が、書いたご本人の手から旅をして、山形の小さなゲストハウスに届く。「ナ(あなた)」と「ワ(わたし)」が綯い合わさって縄になる——本に書かれていたことが、そのまま目の前で起きていたんだなあと思います。この本自体が、人と人を結ぶ「縄」だったのかもしれません。
井河澤さん、素敵な本を本当にありがとうございました。またぜひ、わたうさぎに遊びにいらしてくださいね💕
ゲストハウスわたうさぎのご案内
ゲストハウスわたうさぎは、山形県鶴岡市にある小さなお宿です。国内はもちろん、海外からのゲストさんも多く、リビングでは毎晩のようにあたたかい交流が生まれています。今回のような素敵な出会いが待っているかもしれません😊 出羽三山や庄内観光の拠点に、ぜひご利用ください。
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